One up 芦川さんにインタビューをさせていただきました。

東京・秋葉原や中野に店舗を構える、ソフビ(ソフトビニールフィギュア)を専門に取り扱う人気ショップです。特に、独自のデザインやアーティストとのコラボレーションによって制作された、ユニークでカラフルなソフビフィギュアが人気です。「One up.」は、個性的でハイセンスなソフビフィギュアを求める人々にとって、定番かつ重要な存在のショップです。特に、アーティストとのつながりを大切にしているため、他では手に入らないユニークな作品が多く、ソフビ界において一線を画しています。
株式会社One up.様のホームページ

ソフビマニア
本日は貴重なお時間をいただきありがとう御座います。早速なのですがOne upさんについてインタビューをさせていただければと思います。またOne upさんは既にソフビ好きな方でしたらよく知っていると思いますので可能であれば芦川さんがソフビを作り始めた経緯など芦川さんのバックグラウンドについて深掘りさせていただければと思います。芦川さんがソフビ制作をされたのは何がきっかけだったのでしょうか?
One up 芦川社長
1990年頃から、フリーマーケットによく出店していて。古着、アメトイ、カプセルトイ、食玩とか売ってました。そこら辺を集めて売りつつ、在庫も増えていたので店出しちゃおうと思って中野ブロードウェイか、吉祥の裏の2択で迷い、中野ブロードウェイの4Fの小さなスペースだが、場所が良くて家賃がソコソコな場所に店舗を構えました。

ソフビマニア
なるほど。90年代のチョコエッグで思い出にあるのがツチノコがすごいレアみたいなのありましたよね。
One up 芦川社長
あぁ、あそこらへんがスタートだね。その前にバンダイのガチャガチャのHGって分かります?200円で色付きのガチャガチャがあって、ハイグレードガチャガチャって言って。昔のガチャガチャって1色だったじゃないですか。あれが彩色されたやつが200円で出てくるっていうのがすごくて。

ソフビマニア
すみません、存じ上げないです。
そういうものがあるのですね。
One up 芦川社長
そう、あれも全部僕は集めてて、それで、余ったやつを手放したりとか色々して、店舗で売ったりしていた。あと元々古着の買い付けやってたんで、海外のミュージアムグッズって言って、MoMA美術館とかね、キース・ヘリングのポップショップってやつ。Tシャツを仕入れたりとかもしてて売っていた。初期の頃は古着のTシャツとか、ミュージアムものとか、チョコエッグとかオシャレっぽい店にして売っていた。あ、あとLSIのゲームとかもうってたな。

ソフビマニア
そんな経緯があったのですね、そこから2002年に初めてイベントで、販売されたみたいなフィギュアがあるとブログで拝見しました。
One up 芦川社長
そうですね。あれがはじめてかな。いろんなメーカーさんが作るやつの別注カラーって分かりますか?
別注カラーを依頼させてもらって、このキャラがいいから、One up限定でやらしてくれるっていうんで、それで、One up限定カラーっていうのいろんなメーカーさんでやらしてもらってた。その頃から、そういうのやる人も少なかったんで、あの頃、ヤマシロヤさんとか、あと恵比寿にあったミスタークラフトとか、そこらへんが限定って言ってやってたんです。その中でもうちが1番弱小。ほかはみんな大手っぽい、 従業員何人も雇ってるようなとこで、うちはいつも2、3人だったけど、やらしてもらってて。
で、TOMAさんっていう作家さんがいて、その人から「オリジナル作っちゃえばいいのに」って言われて、ソフビを急に作って、それがスタートですね、

これ結構、前の本なんですけど、なんかすごい今高騰してる全部かなんかで、はい、半年ぐらいかかって完売した。2800円のが一時期、海外の人が欲しいって言って、 ヤフオクで8000円ぐらいで買って、8000円でそのまんま売って、今多分もう1万超えてると思うですよね。
ここだここ、ここに書いてある。これが第1号キャラですね。

クリエイターズソフビっていう本もあって1万部刷って2、3年間売ってたんすよ。でも今はもう買えない。

ソフビマニア
これ知ってます。めちゃくちゃかっこいいな。って思ってました。表紙から凝ってますよね。
One up 芦川社長
この本の次を作ってくれっていうけど。これ撮影広告が入んないときつい。クリエイターズソフビの本を作ったときも広告もやってくれって言われて、しょうがないから出資して。
まけてもらえてたんすけど、ちょうどこれコロナ禍に出たんで。はい。どこもみんな元気なくて笑

ソフビマニア
なるほど、そういう経緯があったのですね。
ありがとう御座います。
話を戻すと2004、5年から本格的にソフビを始められたんですね。
僕が芦川さんを知ったのがフォルクスワーゲンのソフビ制作のCMです。
熟練の後藤さんがソフビ彩色しているCMです。
One up 芦川社長
あの人、今、後藤さんは88歳で、はい、あと2年で辞めようかなって言われてる。うちのはどうにか受けてくれって頼んでて。

ソフビマニア
なるほど、そうだったんですね。
One up 芦川社長
うん。後藤さんのは、毎回人気ある。

ソフビマニア
ここ最近の話になるんですけど、ソフビ人気が過熱しているイメージがあるんですが、何が要因なのかわかりますか?
One up 芦川社長
自分らの好きなデザインをそのまんまできるっていうのと、あと、やっぱ中国製だと、量が多かったりするじゃないですか。それとは逆に日本だと小回りが効く。
クオリティが高いものを少量小ロットで作ってるっていうのが希少価値になっている。
素人が直で工場と繋がるのは中間業者を通さないと、そういう人たちに、直接お前も行くなってすげえ圧力かけられてたんですけど、いつの間にかなくなっちゃった。
実際、今売れてる作家さんも、元々はうちのただのお客さんだった人とかすごい多い

ソフビマニア
なるほど。One upさんの店内を見回すといろいろなアーティストさんの作品が多いように感じます。
いろんなアーティストさんと繋がってるじゃないですか。横のつながりが多いのでしょうか?
One up 芦川社長
知り合いの知り合いとかがいるんです。本当は僕は気に入らないと入れないのが基本なんですけど、たまたまどうしてもこれ知り合いだから入れてくれっていうのもある。
元々One upはここじゃない場所にあったんですよ。秋葉原の電気街のど真ん中、カルチャーズZONEってビルにはいたんですよ。そこはゲームセンターも近いし、人もいっぱい来るんで、そういうの断ち切るためにこっちのビルにきました。
あとカルチャーズZONEのビルは人が並ぶと怒られるんで。ここは人が並んでもあんまり言われない。
人が並ぶという店もやりたかった。あとはここのビルはゆっくり見れるんで。前の店とか人が多すぎて。見てると人がガンガンガンガン当たってくるんですよ。ごちゃごちゃでもう落ち着かないんで、こっち来ちゃったっていうの。
イベントがもう正直1年全部ガーっと埋まってるんで。スーフェスもあれば、ワンフェスも年2回あって。
で、このソフコンっていうのが。僕に初めてソフビ作った方がいいんじゃない。って言ってくれたトウマさんっていうの主催でソフコンを大阪で開催する。
東京ばっかりイベントがあるので、じゃあ大阪もやるかって言って。

ソフビマニア
ソフビの業界の。僕も1年前から調べはじめて、こういうサイト作ってみようとかやってみたんですが、ソフビは奥が深すぎて。パチモンソフビとかもあったりして。
One up 芦川社長
僕らの前の世代にM1号さんとかがいる。
僕らより前の大先輩で。はい。その人たちは大御所みたいな。
僕はどちらかというとデザイナーが作ったイラストを日本のソフビに落とし込んだイメージ。
2000年代は元々ソフビ好き方々はその頃アート系のソフビ買わない言ってたんですよ。あんな子供っぽい怪獣なんて買わないって言ってたけど、はい、いつの間にか評価されるようになっていた。

ソフビマニア
そんな経緯があるんですね。
作家さんはどうソフビ作りを始められるんでしょうか?
One up 芦川社長
自分で身を削ってやるっていうのはあれですけど。みんなボーナス2回ぐらい突っ込むのが普通でした。
でもそれで成功してソフビメーカーになった人いっぱいいる。

ソフビマニア
長く続けるのは結構鍵だったりするのでしょうか?継続して発信するのも大事なんですかね。
One up 芦川社長
やっぱりそうですね。ブランディングっていうか。
それで、未だにサラリーマンやりながらソフビやってる人もいるし。はい。もうソフビが忙しくて稼げるのがわかったから続ける人。逆にサラリーマンに戻っちゃうって人もいるし。

ソフビマニア
ブランディングが重要ですね。凄いなと思ってて。
One up 芦川社長
うん。だから、素人なのにすごいなっていう人いるんすよね。映像作っちゃったりとかはすごい。
ストーリー性があると、なんですか、付加価値がつくというか。
なんで箱にお金かけんだろうみたいな作家さんもいるし。
ただ、それがやっぱり買う側にとっては本当に数百体しかないうちの1体だから買っとこみたいな。
昔、5万円のソフビとか言ったらビビって誰も買わなかった笑

ソフビマニア
今、当たり前ですよね。このサイズ、クオリティで5万円はむしろ安いんじゃないかという感じになっている。
One up 芦川社長
サンガッツ本舗さんはすごい。未だに値上げしてない。

ソフビマニア
確かにそうですね。サンガッツ本舗さんは4,000円〜6,000円のイメージがあって、シンゴジラはあんだけ大きくて1万円とかですよね。
One up 芦川社長
前にサンガッツさんに聞いたら「自分の労力は0円」だっていう変な言い方してて。全部1人でやってるからどうにかなるけど、あれで従業員持ってたり店舗とか持ってたらもうアウトです。

先輩だから言いづらいんですけど、そういうのやめた方がいいっていうですど。
それでも、それで死ぬならそれでいいですっていう感じ。

ソフビマニア
そうなんですね。なんかそういう心意気を感じる方だなって。
One up 芦川社長
サンガッツさんとか、さっき僕にソフビおすすめしてくれたTOUMAさんっていうのは、初期の頃からキャス作ったりしていた、売ってた人たち。
今、サンガッツ本舗さんは僕よりちょっと前の世代。
MAXTOYの人とかは完全にうちの客だとし。マックスって元々アメリカの会社なんですよ。はい。マーク・ナガタさんって言って。日本語全然喋れないんですけど、 その人のお手伝いをたまたましてたら、いつの間にかMAX TOY JAPANを作ることに。
6、7年後ぐらいから、やり出したんですね、本気で。
で、そのMAXTOYの人が日本で頑張ってやり出した頃にお店がなかったんで、はい、作ったら、どんどんうちの店に持ってきて、うちがMAXTOYはバンバン売ってるんですよ。
One upはMAXTOYだっていう変な噂が出たぐらいですね。
2、3年前に法人化して、MAX TOY JAPANってなっている。

ソフビマニア
One upさんはセレクトショップというような立ち位置なのかなと思っていたんです。
One up 芦川社長
一応セレクトプラスオリジナル。
このガチャとかも。うちがやってくれって言って、頼んで、ご当地怪獣っていうプロジェクトがあって。僕それを手伝ってるんで。
それでこれ提案して、ガチャにしてもらって。本当は4種類なんですけど、2種類だけ特別にうちの色入れてもらって。One up限定版って言って売っています。

ご当地怪獣ウードンってやつがすごい売れてるやつ。
各都道府県に2、3匹ずついる怪獣ですね。
あと、ここに変な顔の魔人がいるんですけど。タイのイベントの主催者の子供が今タイのグッズになっているっていって、コラボさせてくれって言われて。絶対ダイナミックさんに断られるだろうなと思ったら。聞いたらいいですよって言われちゃって。
こういう普通ダメじゃないすか?でもダイナミックさんがいいよって言うので作りました。

ソフビマニア
これも版権ですもんね。
One up 芦川社長
そうです。
勝手に作ったら怒られますよ笑

ソフビマニア
One upさんは今まで苦労したこととかないんですか?
創業期でありそうなのが、資金ショートしたとか、それで結構大変だったみたいなのがあると思うんですけど
One up 芦川社長
ないないない。
そんな別にお金持ちじゃないですけど、
絶えず物が流れてお金が動いてるんで。

One upは中野ブロードウェイの4階の3坪ぐらいからスタートしてるんです。
その頃、食玩大ブームだったからけっこう売れて、すぐ店がパンパンになっちゃった。
中野ブロードウェイの中に入ってると横の繋がりで場所取れる。
それでバンバンバンバン取ってきて、1回僕ブロードウェイの中でお店3つで倉庫に3つぐらいになって、だんだんとめんどくさいからまとめていこうって言ってまとめた。

ソフビマニア
横の繋がりがすごいんですね。
One up 芦川社長
店舗によって契約期間があるので、2、3ヶ月いないといけないとか、半年とかいないっていう契約があるから、
僕はすぐ入るって言ったら、その人もその分のお金払わないで済むからお互い得なんですよ。だからすげえ早かった。

ソフビマニア
なるほど。本日はいろいろお話を聞かせていただきありがとう御座いました。あっという間に1時間が経過していました。

また、取材をさせてください。

One up 芦川社長
はい、こちらこそありがとう御座います。
また、いつでも遊びにきてください。

東京・秋葉原や中野に店舗を構える、ソフビ(ソフトビニールフィギュア)を専門に取り扱う人気ショップです。特に、独自のデザインやアーティストとのコラボレーションによって制作された、ユニークでカラフルなソフビフィギュアが人気です。「One up.」は、個性的でハイセンスなソフビフィギュアを求める人々にとって、定番かつ重要な存在のショップです。特に、アーティストとのつながりを大切にしているため、他では手に入らないユニークな作品が多く、ソフビ界において一線を画しています。
株式会社One up.様のホームページ